クロス展に出るまでのこと
映画「レオン」のオマージュを展示します
昨年、最後の撮影の日。ふと「展示に出たい」と相談したのがすべての始まりでした。PASHASTYLEという存在すら知らなかった私が、今年すぐに会員になったのは、その一言がきっかけです。
認定や肩書きには、正直あまり興味がありません。でも、昨年春から桜、紫陽花、夏の川、秋桜、ひまわり、紅葉と、日本の四季を通して撮影を続けてきた中で、たくさんの学びがありました。その流れの中で、自然と「出たい」という気持ちが芽生えたのだと思います。
4月には出場の意思を伝え、予選に挑戦。タグを付けて写真をアップする形式でしたが、なんと定員の3倍の応募があったそうです。発表の配信は、大阪の友人と一緒に生で視聴。名前が呼ばれた瞬間、正直嬉しかった。でも同時に「これって強豪相手に何することになるんだろう?」と、複雑な気持ちもありました。
予選を通過できたのは、モデルさんのおかげではないか?今のカメラはシャッターを切れば綺麗に映る。これは私の実力ではない…そんな気持ちは今もあります。
テーマと制作
映画好きの佐野さんがよくつぶやいていた、ある映画。私も好きだったので、それをオマージュすることにしました。衣装はセレクトしてもらい、私は撮影場所の許可取りやスタジオの段取りを担当。中間決算で忙しい時期でしたが、休みをもらってなんとか撮影にこぎつけました。
照明や表現に迷いながらも、「嫌われるかも」と思いつつギリギリの線を攻めました。モデルさんはプロ。依頼には応えるというスタンスで、好き嫌いではなく、ただ真摯に向き合ってくれました。
展示に向けて
私はFRPで表現したいことがあり、実際に作らないと伝わらないと思い、張り切って制作。2回相談を重ねました。クロス展は私一人の舞台ではない。相談の結果、展示内容は大きく修正されました。たった1cmの違いでも、私にとっては四苦八苦。プリントもすべてやり直しです。
自分でプリントするメリットは品質確認ができること。でもイルフォードの紙は高価で、インクも…テスト含めて一発では調整できないので、費用もかさみます。活動されている方々なら「そんなの当たり前」と言うかもしれませんが、私にとっては勇気のいることでした。
そして、問いを残す
私の作風は人目に止まらない。写真は見てもらわなければただの紙。何も意味がない。でも「キラキラ」「かわいい」「共感」「肌の露出」…それが世の中の常識。※嫌味です。
この中で、何を示すか?
私は「伝える写真」を追いかけていました。でも、いったんそれを辞めました。師匠が言っていた言葉が残っています。
「観る人に委ねる」「問いを残す」
私は、それがまだできません。でも、問い続けることはできる。クロス展は、その問いのひとつです。
願わくば、ご覧になった方々が写真と対話をしてほしいと思っています。
「これ何?」 「あぁ、これってこういうこと?」 「それって、もしかして今の社会?」
そんなふうに感じていただけたら、最高です。
作品ステートメントも、極力「どんな問いか?」というサポートになるように作りました。全部伝えるのではなく、解釈は人それぞれ。強さ・弱さ・守るとは?社会との関わり合いとは?
あなたに命を懸けて守りたいと思うものはありますか?
私はレオンの気持ちになりながら撮影していました。それをどう表現するか?本当に難しい。でも、経験して磨けばいい。私は今、何もない。だからこそできることがある。
最後に
作品とは?表現とは?アートとは?完ぺきではない。でも、それが私です。そのまま出すことにします。それ以上でもそれ以下でもないので。
「なぜ?」があったら聞いてください。たぶん全部答えられます。たぶんね。全部意図があるはずです。
お気持ち文章で申し訳ない。ただ、せっかく舞台に立つなら、自分の持っている技術含め出し切らないとね。
一番感謝しているのは、撮影させていただき、こうして展示の場を得られたこと。モデルの佐野小波さんに感謝です。
さてさて、明日は搬入。
私は自分なりの舞台に上がります。立ち止まって頂いた方と向き合いたいです。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

